胸部プロテクター。以前免許センターを訪れた時に見た警視庁のポスターに、頭部はもちろん胸部を守ることも大事、というようなことが書いてあって「胸部かぁ…そうだよね…バイクに乗るならやっぱり胸部プロテクターって着けた方がいいよね…」と思いつつも正直なかなか真剣に考えられなかったワタシです。
が!いろいろと調べてみたり、夫と安全について話し合ううちに、やっぱり着けた方がいい、いいや!着けなきゃダメだ!くらいになって今ではツーリング時の必須アイテムになっています。今回は、女性向けの胸部プロテクター、【RSタイチ TRV063 TECCELL チェストプロテクター】と【コミネ SK-837 インナーレディースチェストガード】の両方を購入し、着けてみた感想やレビューを書いていきます。
やっぱり胸部プロテクターは必須アイテム!
胸部プロテクター装着を真剣に考えられなかった理由は、
- 125cc以下の小型バイクでそこまでする必要ある?
- いちいち着けるのが面倒…
- カラダ、特に胸のラインが分厚くなるのがイヤ…
などなどいろいろありました。恥ずかしながらどれも何となく漠然と思っているだけでちゃんと考えたことがなかったんです。でも、警視庁から発表されている「二輪車の交通死亡事故統計」を見ると、
致命傷部位:「頭部」が最多で、次いで「胸部」、「腹部」の順となっています。
二輪車の交通死亡事故統計より
2022年:頭部45.0% 胸部25.0% 腹部10.0%
過去5年平均:頭部51.1% 胸部26.6% 腹部9.6%
夫婦でツーリングするのがとても楽しくていつのまにかバイクの話ばかりするようになっていたワタシ達。おのずと安全やプロテクターの話にもなり、やっぱり胸部を守ることは大事だよねという結論に。プロテクターを着けることで守られる可能性が高くなるならそれに越したことはないですよね。
悩んで迷走!胸部プロテクター選び
まず、ワタシは普通の女性よりも背が高くカラダが大きいです。女性用のライディングジャケットはまだまだサイズのラインナップが少なく、メンズを着用しています。ライディングジャケットはいろいろなところから出ていますが、ワタシ達夫婦は安全面はもちろん、コスパも考えてコミネやモーターヘッドを着用することが多いです。
コミネのジャケットは、背中や肘・肩を始め、胸部プロテクターも標準装備されていることが多くてとても嬉しい!ですが、胸部プロテクターに限ってはメンズ用(レディースには女性用が付いていると思います)なのでワタシのカラダには合わず、元々ついていたものは夫へ。モーターヘッドのジャケットはキャンペーンなどを上手く利用できれば胸部プロテクターを安く購入できたりしますがこちらもやはりメンズ用。
というワケで、女性用の胸部プロテクターを単体で購入することにしました。最初から安全面とコスパ、装着できるジャケットを考えて迷わずコミネ製を購入しました。が、しかし!ここから「うーーーん(-ω-;)」と悩み始めます。そして何を血迷ったか(笑)手持ちのジャケットにはポン付けできないRSタイチのチェストプロテクターも購入。
何をそんなに悩んだり迷ったりしたのか?それはきっと女子なら一度は考える「胸のライン」です。
コミネ SK-837 インナーレディースチェストガード
Amazonで購入した【コミネ SK-837 インナーレディースチェストガード】。従来製品のSK-682をベースに、欧州CE規格レベル2認証取得した分割型のインナーレディースチェストプロテクターです。本体のタグはLevelになっているんですが、発売後にCE規格レベル2認証を取得しているそうで本体タグまでは間に合わなかったらしいです。(※この時はそうでしたが既に変更されているかもしれません。)
CEレベル2ならより安心だと思って購入しました。コミネのジャケットにすっぽりと収まります。本体がとても軽くて重さを感じません。着けているのを忘れるくらい(*´ω`)この軽さは魅力です。
裏地には3Dメッシュが採用されているそうです。ジャケットのポケットに内蔵するタイプなのでムレなどは特に感じませんが、これ、触ると心地よい弾力があるのが良いです。
【コミネ SK-837 インナーレディースチェストガード】のメリットは、何と言ってもコミネ製のジャケットに内蔵できる点だと思います。一度セットしてしまえばジャケットを着るだけで胸部プロテクター装着完了になりますからとても手軽。
RSタイチ TRV063 TECCELL チェストプロテクター
分割型のコミネ製SK-837とは異なり一枚モノになっていて、CE規格レベル2を取得しています。「TECCELL(テクセル)」という水よりも軽い比重であるハニカムコア材が使われており、CE規格レベル2をクリアした製品の中では世界最軽量なのだそうです。
世界最軽量なだけあって本当に軽い!コミネ製もとても軽いけれどタイチ製も軽い。着けた感じは甲乙つけがたいくらいどちらも軽いです。
ボタンが付いていて、TAICHIジャケットのCPS(チェストプロテクターシステム)はもちろん、他社製のジャケットでも、プロテクター装着用のボタンシステムがあれば簡単に装着することが可能になっています。ボタンシステムについてはまた後で詳しく紹介します。
女性用なのでゆるやかなラインになっています。後述しますが、ワタシにとってはこのラインが重要なポイントになりました。
裏面。二重構造になっています。この白い裏面がハニカムコア材なのかな?表面も裏面も、単一素材形成なのでプロテクター全体で高い衝撃吸収性を発揮してくれるそうです。
CE規格レベル2のマーク。「EN 1621-3」の「EN」とは、European Standardsとも呼ばれるEU域内における統一安全基準と言える「EN規格」のことで、「1621-3」とは「胸部プロテクター」を指します。
RSタイチ TRV063を選んだ理由
どちらも着けてみた結果、ワタシのツーリングのお供には【RSタイチ TRV063】を選択。…と言ってもどちらも持っているのでその時々でどちらも使えばいいんですけどね(^_^;)でも総合的に見て個人的にベストだなと思ったのが【RSタイチ TRV063】でした。
理由は、
- 他社のジャケットにも流用できる
- 見た目
- 左右に分かれていない一枚モノ
- 服を選ばない
です。ひとつひとつ詳しくお話ししていきます。
他社のジャケットにも流用できる
タイチのジャケットであれば最初からCPS(チェストプロテクターシステム)がついているので良いですが、他社製のジャケットでも、プロテクター装着用のボタンシステムがあれば簡単に装着することが可能なんです。
画像のジャケットは2りんかんオリジナルブランドの「MOTORHEAD RIDERS」製です。モーターヘッド製は、とにかく高コスパなのが魅力。バイク初心者の頃は特に、どんなブランドがあるのか、またブランドの特長とかもよくわからなかったり、そもそも自分がどんなモノが好きなのかもよくわからなかったりするので(ワタシはそうだった^^)、コスパの良いモーターヘッドはおすすめです。
このジャケットにはプロテクター装着用のボタンシステムはついていません。じゃあどうやって装着するの?ってなりますよね。このジャケットにはプロテクター装着用のボタンシステムはついていませんが、胸部にベルクロがついています。ここに【RSタイチ TRV074 CPS アタッチメント】をつけます。
これは、RSタイチの公式通販サイトで購入。
ジャケットのベルクロ部分に簡単に装着できます。ジャケット側のベルクロ部分は長めなので位置を調整できます。
あとはボタンをはめていくだけ。はめるのも外すのもとても簡単です。ツーリング先での散策や食事の時などサッと外せるのがとても便利。
見た目
前述した、
何をそんなに悩んだり迷ったりしたのか?それはきっと女子なら一度は考える「胸のライン」です。
これ!ワタシが一番悩んだところ。50代のおばさんが何言ってんの?って思われるかもとかいろいろ考えちゃって、実は今回のこの記事はなかなか筆が進まなかったんですよ(笑)でも同じように悩んでいる女子がいるかもしれない!という思いで話しますが…
ワタシ、胸にコンプレックスがあるんです。大きいバストは女子の憧れでもあるかもしれませんが、それは胸以外のカラダが細いことが前提であってワタシのように胸熱ならぬ胸厚の場合は全然別なのですよ。もう、出来るだけ華奢に見せたいという強い願望があって胸部プロテクターに超抵抗がありました。だって、胸部プロテクターを着けるとただでさえ胸厚なのがさらにガッチリ分厚くなっちゃうんですよ?( ノД`)タエラレナイ…一時はさらしを巻こうと本気で考えたくらいです。
でも安全を考えたらそんなことも言っていられません( ̄▽ ̄;)
で、今回は恥を忍んで胸部プロテクターを着けた画像をアップしました。
向かって左が「コミネ SK-837」、右が「RSタイチ TRV063」です。左の方は上部がもりっとなっていてプロテクター下部はそのまま前方に出る感じです。右の方は上部の盛り上がりが小さくプロテクター下部は下へストレートにストンと落ちる感じです。
悩む必要のない方からすれば「えーっ!たいした差じゃないじゃん!気にしすぎ!」と呆れられて終わりかもしれませんが、ワタシにとってはこの胸のラインが大問題だったわけです。やっぱりね、無駄な抵抗だとしてもちょっとでもシュッと見せたいわけですよ(笑)
まあ、これはあくまでもワタシの個人的な感想です。「コミネ SK-837」が着ける女性によってはとてもキレイなラインになることも知っています。いずれにせよ自分のカラダに合ったものを選ぶということが一番大事ですね。
左右に分かれていない一枚モノ
「コミネ SK-837」と「RSタイチ TRV063」の大きな違いは分割型か一枚モノかというところです。これに関しても人によっていろいろな意見や考え方があると思いますが、ワタシの場合は夫と話し合う中で、「RSタイチ TRV063」の「プロテクター全体で衝撃吸収」というところも重要かなと思ったんです。
心配したり不安がったりするとキリがないなぁとも思うんですが、やっぱり分かれているものより一枚モノの方が面積が広いので衝撃吸収力が強いんじゃないかと。あとは、考えられる事例としてハンドルなどの棒状のものが突き刺さるケースがあると知り、分かれていない方が良いと思い「RSタイチ TRV063」を選択。
それでも「コミネ SK-837」のジャケットに装着したままにできる手軽さは捨てがたいところがありますから、バイクに乗るシーンによって使い分けたら良いと思います。
服を選ばない
服を選ばないって「RSタイチ TRV063」はプロテクター装着用のボタンシステムが無いと装着できないんじゃない?
実は、ボタンシステムが無くても【RSタイチ CPS用 フィッティングベルト】があれば好きな服を着ることができます。
着る胸部プロテクターですね。肩、胴回りのベルトは体格に合わせて長さ調整ができます。
ボタンをパチンパチンと留めてベルトをカチャッと閉めるだけなので簡単です。
実際に着けるとこんな感じ。ぴったりとフィットして重さも感じません。これならボタンシステムが無いジャケットでも装着できます。
最後に
今回は、「コミネ SK-837」と「RSタイチ TRV063」の感想とレビューでしたが、プロテクターって各社からいろいろと出ているし日々進化していて、最近ではエアバッグのようなシステムまであって驚きです。バイクライフスタイルや乗るシーンによって自分に合った製品を見つけるのが一番だなと思います。